アクロスティック

アクロスティック acrostic 〖アクロスティック系〗
アクロスティック〉は形態に応じて次の二種類に分けられる。
〔シングルアクロスティック〕 single-acrostic
詞章の頭・尾など所定の位置決めをし、そこに意味のある語句を一字ずつ分解してつづり込む手法を〈シングルアクロスティック〉という。
これの展開バリエーションは多彩であり、とくに〈ダブルアクロスティック〉と断りのない場合はすべてシングルである。言葉遊びの入門者は三〜五音節のシングルから始めるとよい。
【例】
アサヒビールの広告より

北方領土返還の政府広報
日本列島○北のはて
面積五千平○方キロメートル
戦後、早くも○四十年
もどそう北方四○島粘り強く 昭和五十九年九月、総務庁広告
〔ダブルアクロスティック〕 double-acrostic
アクロスティック(とのみ称する場合はシングルをさす)は一列だけの隠句つづりであるが、これがさらに句頭と句尾というように二重に仕掛けたものを〈ダブルアクロスティック〉という。移入時の明治時代には「二重式文字綴り」と和訳された。
ダブルアクロスティック作りは、シングルの場合よりも難しさが倍加することになる。隠句のパターンや組み合わせもさまざまである。
【例】
頭尾合わせ成句「良き遊びおもしろい」
ヨツノオ(琵琶の異名)
キジョノトモ(雑誌の名)
アオムシ(青虫)
ソライロ(空色) 
ビャウヘイ(病兵) 『世界遊戯法大全』
頭尾異字同音つづり
つゆのあとさき 荻生作
あめが しとしと
あつさ むとむと
あいも ねとねと
あせで じとじと
あのこ うとうと
あたし へとへと