文芸遊戯系統 文芸遊戯系

文芸遊戯系 ぶんげいゆうぎけい
文学の芸文、という意味での文芸は、言語遊戯とは常に表裏一体の関係を保ちながら発展してきた。どの分野の文芸、どの作者の手になる作品でも、切口には言葉遊びが姿を現わす。遊びの範囲もじつに多様で修辞や弄辞が駆使され、作品に生彩を与えている。
文芸作品はまた、ある種の言語遊戯を生む母体だ。たとえば和歌は〈折句〉を生み出し、狂言は〈早口〉を成らせた。主幹文芸から派生し枝葉となっている各種の遊戯も、多くは文芸を媒介に育った。さらに、原始形態の遊戯を磨いて珠玉となしたのも文芸である。
以上のような視点で〈文芸遊戯〉を見つめなおすことで、鑑賞がより味わい深いものになろう。